【感想まとめ】『VRビジネスの衝撃』読了
下記の記事で購入レポートした『VRビジネスの衝撃』について
週末に読了いたしました。
<参考>
今日は感想を簡単にメモ書きします。
◆2章のオキュラス創業の話だけでも一読の価値あり
実は意外にも、私はオキュラスの創業の話を今まで聞いたことがありませんでした。
まだ日本のメディアもこの分野には着目し始めたばかりで、
あまりキーマンのエピソードまで紹介されたものはなかったのです。(たぶん)
しかし、本書にはそのストーリーがありました。
要約すると、
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・「ゲームで生み出されるCGの世界に入り込みたい」と願ったパルマー少年は、当時貧弱だったVRヘッドマウントディスプレイを自身で改造し始める(純粋な気持ちが起点)
・ゲーム機の改造やiPhoneの修理を引き受けては、新しいハードの開発に稼いだお金をつぎ込む
・50以上のVR機器を買い揃える。VRデバイスの個人コレクションとしては世界最大級
・当時のヘッドマウントディスプレイの視野角は25〜45度が平均だったが、90度まで改善
・試作機が天才的プログラマー、カーマック氏の目に止まり、カーマック氏は当時没入していた宇宙開発からオキュラスVRへと転身
・カーマック氏は視野角の狭さを改善する、VR最大の発明とも言われる工夫を生み出す
・ザッカーバーグ氏は当初オキュラスに強い興味は抱いていなかったが、熟考の中でVRを長期的な視点で捉えるようになり、20億ドルで買収。
・SF小説にインスパイアを受けた天才プログラマー、アブラッシュ氏は、「ゲーム・ウォーズ」に出会い、VRへ転身。オキュラスリサーチ部門立ち上げでVRの思想強化
等
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ストーリーの中でキーマンが登場し、VRトレンドを作り出すオキュラスの創業が実現するのですが、私が最も感銘を受けたのは、彼らの「VRで生み出そうとする世界への純粋な気持ち」がすべての行動の起点になっている点です。
そこには打算的な要素が一切なく、ビジネスでもなく、まったく合理的でもなく、成功の確率などの世界ではなく、ただただ純粋に実現したいものへの気持ちが状況を作り出していました。
これを知って、私は「VRは本当に世の中に普及するようになるだろう」と改めて確信させられました。というより、なんとなくそう信じたくなるような気持ちになりました。
詳しくは本書を一読いただくことをお勧めします。
その他、本書で私が特に興味深かった内容などを箇条書きにメモします。
◆映画・ライブの新しいビジネス性
・ハリウッドはVRを「新しい映像視聴の方法」として注目している
・高付加価値のコンテンツは映画やライブの料金頭打ちを打開できる
◆VRのインタラクティブ性
・初音ミクとの握手体験。初音ミクの視線が自分を追いかける。握手すると反動があるなどの「インタラクション」がリアリティを感じさせる
・スターウォーズのVRコンテンツ。一連のシーンの視点切り替え。様々なキャラクターの視点で楽しめる。→Other Sideの視点。小説のよう。
・映像とのインタラクティブ性をオーディエンスは得られる。従来のようにただ鑑賞するだけでなく、ゲームのようなインタラクティブ性をどう持たせるか
→インタラクティブ性については、FOVEの講演でもおっしゃっていました。
<参考>
・FOVEは「アンコンシャスインタラクション」というジャンルをVRで流行らせたい
・無意識の目線の動きで物語が分岐する
・サウンドノベルの次の形
→シチュエーションノベル
◆プレゼンス(実在感)こそVRの価値
・あたかもその場にいるような感覚をユーザに与える「プレゼンス」を高めることが重要
・「サマーレッスン」ではVR空間でキャラクターが「パーソナルスペース(親しい人しか近づかない45cm以内)」に近づいて、あたかもそこに本当に存在するかのような実在感
・「ミクミク握手」ではプレイヤーの動作により初音ミクのリアクションが変化するインタラクションにより、あたかもそこに存在するかのような実在感
・キャラクターとのコミュニケーションVRが日本のVRの強み?
◆VRランドスケープ
・234の企業がVRに参入
・約4万人がVRの仕事に就いている
・企業価値の合計は130億ドル(1兆円以上)
◆VRによるUI(ユーザインタフェース)革命
・VRではプレイヤーが直感的に建物を配置したり、サイズを変更したりできる
・機械と人間のやり取りのあり方を変えるUI革命
・「VRエディター」や「TiltBrush」がその例
・VR空間の中で、空中に絵を描くことができる
◆VRの先にはMR
・「2100年の科学ライフ」
・HMDなしでも現実と仮想が融合。VRとARの融合
以上です。
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